*二日目*



○白石市○
 6:45に起床。いつもは寝起きがいい方なのに、この日はぜんぜんダメ。やっぱり枕が替わると眠りも浅くて疲れる・・・とりあえずテレビをつけてぼんやりと五分くらいベットに寄り掛かり、脳を起こす。その後気合を入れて着替え・化粧をして、ホテル一階のロイホで朝食を手早く済ませました。
 そしてロビーの機械でチェックアウトを済ませると駅へ。

 ※今回使ったホテルは「ロイ○ットホテル」。
 ビジネスホテルなんですが、一階はロイホの店舗が入っていてホテルと提携してるんです。朝昼晩と食堂代わりに使えるし、ルームサービスもロイホのメニューが食べられます。
 チェックインも最初だけフロントで声をかけますが、正式なチェックインはATMのような機械を使ってお客自身がやります。宿泊代もチャックイン時に支払い。
 シングルはベットはセミダブルで部屋も広めで快適です。女性にはバスグッズをくれたり、他のサービスも多いです。
 全体的になかなか愉快でオススメのホテルですv


 仙台から在来線東北本線を使い、白石へ。鈍行で約40分、片道740円也。
 途中、船岡という駅の前後で桜並木が続く土手があってすごく綺麗でした。たぶん二、三キロかそれ以上続いていたと思います。すごいな・・・
 通勤時間でしたが、始発なのと行く方面のせいか難なく座れました。途中どんどん人も降りていき、白石につく頃は一車両に私ともうひとりだけになりました。

 改札を抜け、すぐに観光案内所に。
 天気も当初の予報より良くて、片倉家廟所も行くことに決めましたv
 地図を貰い、廟所までの道筋と時間を確認。レンタサイクルを借りる手続きを済ませて、いざ出発!

白石の旅のお供・いえろーさいくるくんv
 





○片倉家御廟所○
 駅前の商店街を抜け、国道45号線に出て、ひたすら真っ直ぐ進みます。地図で自分のいる場所をこまめに確認しつつ、古い町並みの残ることに感心。
 なんとそんなときに曇り空から雨がぽつぽつと!
 ココで降られても雨避けになるような場所も何もない!
 (いやーん!貴方に会いにきてるんです!小十郎さんお願いします!!!)
 と心の中で叫んだのが効いたのか、廟所に着いた途端日が射してちょっと感動vとにかくその後も雨に降られることはありませんでした。

 案内所では20分以上かかると言われましたが、15分くらいで到着。山の中腹にあるので、最後がちょっと上りです。行く方は頑張ってください!

案内板です。
案内板で位置を確認して横を見れば・・・・

 またしても上りですよ!(泣
 思わず「・・・ここ昇るんだ・・・」という独り言を呟いてしまいました。
 まあゆっくり行きましょうv

 
階段の両端にはこんな可愛い花たちも出迎えてくれますからねv

途中こんな眺望も。
 そんなこんなで見えました!
どきどきしながら近寄るとこんな説明板が。

「なるほどこの順番に並んでいるのね」と廟所の中に入り込みます。

 角度的に全体を撮るのは難しかったので、初代・小十郎景綱の廟だけを。どなたかが供えた椿が並んでました・・・
 一段下がったところには、小十郎が死んだときに殉死した家臣たちの墓標もあります。六人の殉死者を出した彼の人徳を偲びます。 小十郎、愛されてるな!

 また少し上がったところに喜多姉さんのお墓や田村清顕公のお墓もあるのですが、もう昇りはイヤなのと他にも色々回る所があったのでここで退却!>ザ☆意気地なし





○武家屋敷(旧・小関家)○
 さて自転車で市街地に戻ります。
 白石の町はきちんと碁盤の目に整備されているようで道もわかり易い印象です。史跡関係には標識も多く出ているので迷うことは殆どないかと。
 そして脇道へ入り武家屋敷へ。


とても雰囲気のある武家屋敷周辺です。屋根付きの門構えの家も多く、さすが城下町と思わせます。

武家屋敷入り口。

 この武家屋敷前に流れる川は白石城の旧外堀です。
 写真に写っている道路の部分も昔はお堀だったそうです。山にダムが出来るまでは水量も多く、↑のように掛かっている橋も腐ってしまい頻繁に架け替えるほどだったとか。今は橋はコンクリート製で水量もこんな塩梅で、管理人のおじさんは笑っておられました・・・

武家屋敷内部。
 囲炉裏では本当に火を焚いてます。茅葺屋根も本物なので、こうして燻さないと虫が湧いたりして傷むのです。ちょっと煙いけど情緒は満点v

 余談ですが、ここでも管理人のおじさんにとても良くして頂きました。上記のお話もぜんぶおじさんの説明です。もちろん瑞巌寺のときと同じ会話も繰り返されましたとも・・・





○白石城○
 さあ次はメインともいえる白石城です!
 武家屋敷のおじさんによれば、「堀沿いに進んでいけばすぐだよ」とのこと。自転車に跨り、よいしょっと!
途中、外堀の脇の桜がきれいでしたよーv

 おお、お城が見えてきました!自転車を階段脇に置いて、また石段を昇ります・・・


桜と白石城。ここからまたしても携帯による写真です・・・

 武家屋敷で永久に使えるという共通拝観券(ホントかどうか次回試してみようと思います・笑)を買っていたので、そのままずんずん進みます。

大手門から振り返り仰いだ天守閣です。



本丸跡の桜は満開v

 平成7年に復元された天守閣の中は特にこれといったものはなく・・・ただ、石落としとか鉄砲櫓とかがありました。天守閣は住む所ではなく、戦の時の基地のようなものでしたから、主に武器庫のようなものだったという説明でした。
 一番上まで上ってみましたが、とにかく階段が急勾配なことったら!怖いから降りるときは座り降りしました(笑

 そしてここでも二人の管理人のおじさんたちからの質問攻めに。
 「どこからきたの?」から始まったのはもうお約束。ちょっと違ったのは以下のようなダブル攻撃。

 おじさん1「ここまで何できたの?」

 わたし「自転車です。観光案内所でレンタサイクルを借りて・・・」

 おじさん2「ああ、それなら片倉家の廟所が山のほうにあるから行ったらいいよ」

 わたし「あ、もうさっき行ってきました」←もうすでにやな予感ビシバシ。

 おじさん2「ああそうなんだ。自転車ならあちこち行きやすいからねぇ」

 おじさん1「下にシアタービジョンあるの知ってる?」

 わたし「はい。それもぜひ見ようと思って・・・」←もういっぱいいっぱいになってきてます。

 おじさん2「・・・片倉小十郎さん、そんなに好きなの?」

 わたし「え、えええ、はい!あの、伊達政宗さんとセットで好きです!」←ここでフォローしたつもりが、おかしさ上塗り。

 おじさん1「じゃあ仙台も行かないとねぇ」

 わたし「あ、昨日は仙台に泊まりまして、もう・・・・・・」←もう好きにして・・・という心境。

 ・・・・・・・わたしだいぶ動揺してたようです・・・orz
 それにしてもおじさんたちの東北弁も可愛いかったなv





○傑山寺○
 シアタービジョンの上映時間までまだ1時間以上あり、お城のおじさんに進められた傑山寺に先に行くことに。
 自転車で今度は内堀沿い行くと大きな通りに出て横断。車一台がやっとというくねくねした道を進んでいくと約五分くらいで到着。
 なんでも本堂を二億円かけて建て直したばかりということで、なるほど綺麗でした。(これもお城管理人’sさんたちの情報・笑)
 でも新しい建物にはこれっぽっちも興味がないため、すぐに一本杉を目指します。

ま、また昇るのですね・・・
さすが厳しい傅役の小十郎さんです。容赦がない(笑

えっちらほっちら昇っていくと、ありました!

鬱蒼とした杉木立の中の一本です。

 政宗が小十郎の墓を暴かれることを恐れて墓標を立てずに杉を一本植えたという逸話が残っているこの場所。真偽のほどはわかりませんが、いい話じゃないですか!<色んな意味でねv
 一瞬だけ邪念を払い、静かに手を合わせてきました・・・
 一度少し下って、二股道をもう一方方向に行くと片倉家の女子たちの廟がまとまってあります。

 
説明板がないのでどれが誰のものかはわかりません。戒名に詳しければわかるかもしれませんが、そこまでの知識はなく・・・(汗





○うーめん○
 さて傑山寺をあとにして、まだもうちょっと時間が有るので今のうちに昼食を食べることに。
 そう噂の“伊達鶏うーめん”を食べようと市街地に向かいました。

 しかし、製麺所はあれども食べさせてくれるお店が見つからない!途中人に聞いたり、見つけたお店に入ろうとするも営業時間前!どうやら白石では11時過ぎくらいじゃ、まだ昼の営業はしないらしいですよ・・・
 どうしようか困っていると、ふとお城のシアタービジョンが見れる資料館に食堂があったことを思い出しました。
 (もう伊達鶏入ってなくても仕方がない・・・)と思いつつ、お城に取って返しました。

 だがしかし!DATEの神はわたしを見捨てなかった!
 この食堂にありましたよ、伊達鶏うーめん!!!

どーん!
 うーめんはそうめんより太め、ひやむぎよりは細く、優しいお味でした。伊達鶏も美味しかったと思いますよーv





 ○白石城資料館内シアタービジョン○
 さてお腹も満足してシアタービジョンのある資料館3階へ。
 途中、まだ時間があったので2階の資料もちょびっと拝見。まあ内容はそんなに濃くはなく・・・
 とにかく「シアターよ、鬼小十郎よv」と、いそいそと3階へ。
 まだシアター内への入場はできなかったので、待合室にある大河特別編集の小十郎だらけの映像に釘付けv

□「喜多と小十郎」
 ※政宗の傅役となり一気に昇進する小十郎は他の家臣たちからやっかみに合い、耐えかねて出奔しようします。そんな小十郎を止める喜多とのシーン。「小十郎、ここに進退窮まった・・・っ!」とか言っちゃう西郷こじゅが堪りませんv

□「政宗と小十郎」
 ※小田原参陣をどうするかで伊達家中が二分。抗戦派の成実と参陣を促す小十郎の対立にキレる政宗宥めるシーンがこれまた・・・v

□「秀吉と小十郎」
 ※愛姫の故郷である三春をやって大名に取り立てるという秀吉の勧誘を「片倉小十郎は伊達家の家臣。もし伊達家にて無用とあっても二君にまみえることはございませぬ。この腹掻っ切る所存!」とか言っちゃう小十郎は最高じゃないですかっ!

 
※はわたしの勝手な解釈が多分に含まれます。ご注意を。

 上記の三つのテーマで大河の映像を編集したものだったのですが、コレ最高でしたvもうわたしがバカみたいに熱く語っていた萌え場面を使いまくり。
 「何コレ?わたしのためのビデオ?!」みたいな(笑
 そんな映像にはぁはぁしてると時間となり、シアター内へ。

 ・・・わたしひとりしかいません。

 係りのおねえさんが締め切りの館内放送を入れると、バタバタとおじさん4人が駆け込み入場。ああ、貸し切りは夢だったか・・・(笑
 上映内容は「鬼小十郎帰るに及ばず」というもの。
 二代目小十郎の大阪の陣活躍と、真田幸村の娘・阿梅を託される一部では有名なお話。
 これ白石市がNHKに制作を依頼したそうで、ナビゲーターに渡辺けんを使い、病に伏せている初代小十郎を白石出身の宍戸じょうを使っています。宍戸こじゅがなかなか可愛いおっさんこじゅを熱演してて、わたしは気に入りました。二代目小十郎の俳優さんは見たことはあるけどそんなに有名な方ではないですね。もちっと優男が良かったなぁ・・・
 映像は立体ビジョンで、渡辺けんがこっちに歩いてきたり、馬に乗った武者が突っ込んできたりしてなかなか愉快でした。
 暗いからニヤニヤしても平気だし、面白かったですv

 もう一つの上映ドラマ「賊にあらず」は時間の都合で観れませんでしたが、そちらに西郷てるひこさんが出ているようですね・・・次回是非観ようっと。

 最後にうーめんを購入して、白石城をあとにしました。





○当信寺○
 最後に帰り道にある当信寺に寄りました。
 ここは二代目小十郎が後添えにした幸村の娘・阿梅とその兄弟たちのお墓のあるお寺です。
 白石城管理人さんによると「西軍方であった自分が東軍方の片倉家の墓には入ることはできない。また少しでも故郷に近い西に」との阿梅本人の遺言で、このお寺に埋葬されたのだとか。なかなか泣かせるお話です。

当信寺の門です。
町中にある小さいお寺です。本堂の後ろに阿梅さんのお墓が。

左が阿梅、右が大八のお墓
  阿梅が白石に来てからちりじりになっていた兄弟たちは頼っていき、片倉家によって秘密裏に養育されたそうです。大八は成人後片倉姓を名乗りました。(二代あとくらいに真田姓に戻ることを許されたそうです)
 阿梅が白石に入って以後は、片倉家も真田の牢人たちを積極的に受け入れたそうです。いい話・・・
 
 そして当信寺をあとにして、駅に向かいました。
 自転車を観光案内所に返して、白石をあとに。さようなら、小十郎〜・・・
 一度仙台に戻り、15:40発のMaxやまびこにて帰京。

 当初よりも天気に恵まれ、行きたい所はほぼ回れて、大満足な旅でした。
 次回はぜひ同好の志たちと参りたい所存!

 へっぽこ道中記、これにて御免。


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